どーも! ばっちょです!
今回はCinematic Studio Stringsをレビューしていきます。
長いので後編もあります。
音源について
Cinematic Studio Strings(略してCSS)は、オーストラリアの音源メーカー「 Cinematic Strings 」が展開する、スタジオの響きを収録した音源シリーズ「Cinematic Studio Series」の1つです。
なんて読みづらい文章なんでしょう・・・
同シリーズの中では最初にこのCSSが発売されましたが、レガートの綺麗さと音の響きの独自性で、このシリーズの知名度を一気に上げた素晴らしい音源です。
Kontakt音源ですが、無償版の「Kontakt Player」で動作するのも うれしいところ。
気になっている人へのおすすめポイント
収録している内容が豊富!
まず気になるのは楽器の種類!
一般的な4重奏の1stバイオリン、2ndバイオリン、ビオラ、チェロに加え、珍しくコントラバス(パッチ名:Basses)まで入ってます。
1st バイオリン 10人、2nd バイオリン 7人、ビオラ 7人、チェロ 6人、コントラバス5人の編成です。
また、各楽器がすべて配置されたアンサンブル・パッチもあるので、「仮音源の作成用に、まずは1トラックに全パートまとめてチャチャッと」なんて使い方も!
※おまけで同社の別音源の操作性を踏襲した「Classic Legato」パッチもありますが、あまり使わないと思います。
そして奏法も バッチリ揃ってます。
たくさんあるものの、大まかな奏法は画面真ん中のブロックに表示されています。
それぞれの左上には、キースイッチが設定されているノート名(C0やC#0など)が表示されているので、迷うことも少ないでしょう。
また、各奏法ごとの細かい設定は右側のブロックで行うのですが、「Staccato」と「Pizzicato」のみ、モジュレーションホイールを使うことでより詳しい奏法を選択します。
※もしくは、キースイッチを押したときのベロシティでも詳しい奏法の指示が可能です。
また、弱音器を使用した音も、通常音のサンプリング+エミュレーションで再現しています。
右下の「Con sordino」のボタンかキースイッチ「B0」で切り替えられます。
奏法の多い楽器の音源の宿命である、「それらをどうマッピングするか」というのが、各社それぞれの工夫が見え、特徴になる部分だったりします。(ここで損をしている他社音源もたくさん・・・)
CSSのスタイルは視覚で把握しやすく、操作するCCやキースイッチも最小限で好印象です。
調整できる音の響きの幅が広い!
CSSでは画面左側のブロックで、マイクのバランスとリバーブ調整ができます。
弦楽器音源を使うとき、参考曲やイメージしている音と、持っている音源とで響きのギャップを感じてしまうことって、意外と多かったりします。
CSSでは次のような調整で、イメージした音へ近づけることが結構簡単にできます。
みたいな
特にCloseは他音源よりもわりと近い音なので重宝しますよ!
慣れるまでは音作り迷子にならないように、マイクバランスだけでイメージの響きに近づける!
「Reverb」をイジるのはマイクバランスが決まってから、またはミックス時の微調整でいいと思います。
もちろん内蔵のものは使わず、お気に入りのリバーブをトラックにかけるのもアリです!
また、響きのイメージがまだ固まっていなければ、Mixを選んでおけばOK!
レガートの再現度が高い!
演奏するノート(楽譜でいえば音符)が変わるときに、音が途切れないよう演奏するレガート奏法。
そのレガートの再現にものすごく力を入れている音源が、このCSSです。
※ホントは最初に伝えたいくらいイチ押しなのですが、需要はそこそこなので3番目に(カワイソ)
奏法「Sustain」の時に、あるノートを演奏したまま次のノートが演奏されるとレガートの奏法が再現されます。
移動する先のノートのベロシティによってFast、Medium、Slowの3段階のレガートスピードが用意されており、ベロシティが20 以下と極端に遅い場合は、さらに音程が滑らかに移動するポルタメントも再現されます。
うん。 サイコー!
ここまで音源側で作ってもらって満足できなかったら、生で録るしかないのでは?
ただし、ベタ打ちだけではきれいに音がつながらないので、理想の音に近づけるには調整が必要です。
買う前に気を付けたいポイント
リアルさを追求すれば、それなりに打ち込みに時間がかかる!
ここまでにお伝えしたキースイッチと、モジュレーションホイールでの奏法選択以外に、ノートのタイミングをズラす調整が必要です。
・奏法がStaccato、Pizzicato、Marcato、MeasuredTremの場合は、ノートを60 ms前にズラす!
(アタック音がノートオン+60msになるよう録音されているため)
・レガート奏法の場合もノートを前にズラす!
⇒Fast(ベロシティ強め)なら100 ms、Medium(ベロシティちょい強め)なら250 ms、Slow(ベロシティ弱め)では333ms
(レガートによる音程移動が終わり、次のノートの音程が正しく発音するまでにこれらの時間がかかるようになっているため)
ほとんどのノートを移動することになるため面倒ですが、その作業が報われる出来になるため頑張りましょう!
※後編のTipsで、効率的に打ち込む方法を紹介してます!
沼が待っている!
このCSSに限ったことではありませんが、「弦音源を買ったら音源沼にハマったも同然」、他パートのオーケストラ音源も気になり始めるものです。
Cinematic Studio SeriesにはこのCSS以外にも、ピアノ(CSP)、ソロストリングス(CSSS)、ホーン・ブラス音源(CSB)がすでに発売されています。
木管楽器(CSW)、打楽器(CS?)がまだ発売されていないだけ、他社オケ音源シリーズより被害は少ないかもしれませんが・・・
パソコンスペックを確認!
またまた、特にこの音源だけではありませんが、オーケストラ系の音源を買って特に注意しなければいけないのがパソコンのスペックです。
特に初めて弦音源を購入する場合、買う前と比較するとDAWのトラックが急に増えることになります。
再生時の処理は増え、メモリへ読み込むサンプルも多くなります。
今まで作った楽曲で、どの程度CPU負荷があり、メモリに余裕があるかを「DAWのCPUメーター」や、「PCのタスクマネージャー」などで把握しましょう!
また、それがギリギリだった場合は増設・グレードアップの検討が必要かもしれません。
ちなみに ばっちょ は、2番にハマりまくった結果、3番にも引っ掛かることになりました。
当初メモリ8GBから始めたDTMでしたが、今では64GBまで増えております・・・
長いので【後編】に続きます。
それでは
ばっちょ
・響きを少なくしたいから「Close」のマイクを使用し、「Reverb」は0%
・ホールの響きが欲しければ「Room」の割合を上げ、必要なら「Reverb」も付加