どーも! ばっちょです。
今回はCinematic Studio Solo Stringsをレビューしていきます!
目次
- 音源について
- 気になっている人へのおすすめポイント
- 買う前に気を付けたいポイント
- 買ってからのTips
- あとがき
音源について
Cinematic Studio Solo Strings(略してCSSS)は、オーストラリアの音源メーカー「 Cinematic Strings 」が展開する、「Cinematic Studio Series」の1つです。
以前レビューしたCSSが弦楽器の各パートが複数人いるアンサンブル音源だったのに対して、このCSSSは各弦楽器が1人ずつの状態を録音した音源となります。
これらCSSとCSSSは操作性がほぼ同じであり、MIDIトラックの共用もできるので、CSSユーザーに優しいつくりになっています。
もちろん、CSSと同様に「Kontakt」、「Kontakt Player」どちらでも動作します。
気になっている人へのおすすめポイント
CSSと基本機能と操作性はほとんど一緒であるため、共通する部分はCSSのレビューもぜひ読んでみてください。
ここではCSSと違う部分について得にクローズアップしていきます。
ソロ音源だからこその用途!
そもそもの話ですが、CSSSはソロ音源ですので、使う目的がCSSと異なります。
オーケストレーションの中でのソリストの演奏や、最近Jポップ・ロックでもバイオリンやチェロの音が使われていることも増えてきたため、使い道はたくさんあります。
また、アンサンブル音源の場合、華やかさ・迫力のある音になりますが、同じ譜面をソロで鳴らすと、一種の儚さみたいなものを感じられると思います。
CSSと組み合わせると音の幅がさらに広がる
他社の音源も含め、どの音源にも得意不得意があったりするものです。
特にStrings音源は、収録している奏法・音の立ち上がりスピード・音色・響きなど、各音源の個性があるので、それらが持つ欠点を補い合うために、複数の音源を重ねることが多々あります。
前回レビューしたCSSもとてもいい音源なので、単体で問題なければ重ねる必要はありません。
ですが曲によっては、CSSの「音のまろやかさ」からか、ミックス時に他の楽器の音に埋もれやすい場合があります。
CSSよりも今回のCSSSの方が特に高音域が出ている傾向にあり、ソロ音源という特性上 定位もしっかりしています。
ちょうどCSSの弱点をCSSSで補えそうです。
また 他の音源の場合、それぞれのキースイッチや音の定位、奏法ごとの音量差が大抵あり、調整の手間がかかります。
CSSとCSSSはキースイッチなどの設定が同じであるため、同じMIDI情報を使用でき、音を重ねるための調整がほぼ必要ありません。
※CSSとCSSSの音量バランスのみ要調整
やっぱりレガートがサイコー!
ここは前回と被る部分ですが、推しポイントなのでもう一度。
このCinematic Studio シリーズはレガート奏法の再現に、とても力を入れて作られています。
CSSSはソロ音源であるため、CSSよりもはっきりとそのレガートが聞きとりやすくなっており、他音源に差をつけることができます。
買う前に気を付けたいポイント
十分買って損はないCSSSですが、気を付けたいポイントもあるためチェックしてください。
収録している内容に違いあり!
CSSとCSSSでは収録している楽器数に違いがあります。
バイオリンパッチへの名前の付け方が異なるため比較しづらいのですが、CSSSではコントラバス(Bass)が収録されていません。
4重奏の楽器は満たしていますし、CSSに比べて価格が$100ほど安くなっているため、しょうがないのかもしれませんが、少し残念なポイントです。
MarCatoを長く鳴らすと音が途切れる
Marcatoとは、強く弦を擦ることで音のアタックが早く、リリースの短い音を出す奏法です。
CSSSのMarcatoは鳴り始めに問題はないものの、2~3秒ごとに弓を折り返すことによる音の跡切れがあります。
実際の楽器では何秒も長い時間鳴らす奏法ではないため、それに則していると言えばそれまでなのですが・・・
アンサンブルの場合、誰かが弓を折り返しても、他の全員まで同じタイミングでその動作を行うわけではないため、ここまで折り返しの跡切れは気になりません。
そのため、CSSではキーを押している間は永遠に音が続き、それが実用に耐えうるレベルでした。
CSSSでもSustain奏法では子の跡切れは発生しません。
そちらを選択すれば問題ない話ではありますが、Marcatoは時短打ち込みに最適なため、その作業の間ずっと違和感を持ったままになってしまうのは惜しい気がします。
買ってからのTips
いざ使うとなったときに、やっておきたいこと、時短のテクニックです。
単体で使う場合はCSSと同じことが言えると思います。
- 打ち込む前にトラック準備と設定を!
- 打ち込みの基本はMarcatoで!
- VibratoのCCを変更してオートメーションをお手軽に!
- あまり使わない奏法は無効に!
追加で一点あるとすれば、やはりCSSと重ねる場合についてです。
音量調整で人数感の調整を!
CSSのようなアンサンブル音源は複数人で演奏した音を収録しています。
CSSは1st バイオリン 10人、2nd バイオリン 7人、ビオラ 7人、チェロ 6人、コントラバス5人の編成でした。
単体で使った場合はこの人数で録音した音のみですので、聴感上の人数感・規模感は固定です。
ですが、ここにCSSSを重ねていった場合、聴感上の人数感を狭める(少なくする)方向に調整することができます。
微妙な差ではありますが、ストリングスが肝になる曲については、マイクバランス+CSSSを重ねるバランスによって、曲にあった響きを調整してみましょう。
あとがき
参考になったでしょうか?
単体でも非常に響きがきれいなソロストリングス音源ですし、またCSSをすでに持っている方には必需音源となるはずです。
ばっちょもこの2つの音源を買ってからは、他のストリングス音源を全く使わなくなるほど、様々な曲に使える音源となっています。
何より、操作性が同じなので、覚えることが少なく済むというのも大きなポイントな気がします。
(設定方法やキースイッチを調べる時間って無駄でしかないので)
そうなると、他のCSシリーズも気になってくるところですね!
改めて同シリーズの音源についてはレビューしていきたいと思います。
それでは
ばっちょ